- ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ
妹「って言われてもなぁ」俺「この間部屋で撮ってたCM？」
妹「うん。なんかね、私の食べ方が何とかって言われてるみたい」
俺「いいCMだと思うけどなぁ。うどん作りたくなった」
妹「そこは赤いきつね買ってよ。でも…… どうだった？」
俺「さすがの僕でもあれで性的は感じられなかった」
妹「近頃こういうの問題になりやすいんだよね」
俺「いうほど問題か？」
- 俺「でも実際、なんで顔赤かったの？」
妹「部屋でゆっくり恋愛ドラマ見てて」
俺「それがえっちなやつだった、と」
妹「ち、ちがうよ！ 普通のだよ！」
俺「しかし恋愛ドラマって見てて赤くなるもんなんですか」
妹「一番いいとこだったから…」
俺「まぁそんなに赤くはないし、涙ぐんでたからいい場面だったのはわかる」
俺「えっちなやつだったらもっと興奮してるよね」
妹「そういうこと言うから性的搾取とかって叩かれるんだよ！」
- 日本語で頼む
- 俺「ともかくそんなに性的な感じはしないから、もうちょっと改善すれば叩かれなくなるでしょう」
妹「改善って、撮り直すの？ 今更やってもまた何か言われるんじゃない？」
俺「いや時間を戻す！ CM撮る前に！」
妹「どうやって！？」
・
・
・
ーー数日前妹の部屋ーー妹「ホントに戻った……？？」
俺「じゃ撮ろうか。機材出すの手伝うよ」ｶﾞｻｺﾞｿ
妹「いいけど妹の部屋に場慣れしてる兄の姿とかあらためて見ると引くわ」
- ーー数日後ーー
妹「どうかな？」俺「う〜ん…… やっぱ炎上してる」
妹「どうして！？」
『女の子が大きめな音を立てて食べる姿がその筋のASMRを想像させて性的』
妹「音は仕方ないでしょ！ うどんなんだから！」
妹「しかも何？ その筋のASMRって！」
俺「女の子が出す特殊な音声を、お金払って聴く変質者が世の中にはいっぱいいるのだ。やだねぇ」
妹「あ〜……」
妹「…お兄ちゃんもそっち側だよね？」
俺「いや僕にはガチ妹がいますし」
妹「ガチっていうな」
- ーーまた戻って数日前ーー
妹「じゃ今度は音対策してみますか」
俺「でも妹ちゃん、普段は静かに食べる方だよね」
妹「咀嚼音関係は性的とか関係なくイヤって人多いから、けっこう気をつけてるんだよ」
俺「うどんのCMとはいえ、あんまｽﾞｿﾞｿﾞｯとやるのもよくなかったかな」
妹「そうだね。だから今度は静かにやってみるよ」
俺「録音もノイズが乗らないように調整してみるか」
- ーーまた公開して数日後ーー
『女性は部屋でくつろぐ時でもおしとやかでないといけないというジェンダーバイアスを植え付けられた！！』
妹「どうしろっての！？」
俺「加減が難しいもんだなぁ……」
妹「ちょうどいいところを狙う練習してみようか」
俺「じゃうどん作るよ」
妹「赤いきつね食べようよ」
俺「うどん打ちたい気分なんだ。あ、でも小麦粉切らしてるから買いに行こう」
妹「それもう赤いきつね買えばいいんじゃ… まぁいいや、行こうか」
- 赤いきつねが炎上しない世界にどうしてもいけない
- ・
・
・
ーー何回かループした後ーー妹「……だいぶ練習したね」
俺「僕もうどん打つのが上手くなった気がする」
妹「ちょうどうるさすぎないくらいに音拾えてると思うけど、炎上はどうかな」
俺「あ、新しいのが」
『おあげを食べる時の口元が性的。実質口腔フェチ向けAVで不快』
俺「あ〜… まぁ、女の子が物食べてるとこで変な想像する人はいるよね」
妹「そんな人いるの！？ 普通に食べてるだけだよ！」
妹「っていうかわざわざそんなジャンルのAVがあるの！？」
俺「あ、女性向けにはないんですか」
妹「私がAV見てる前提で話すのやめてよ」
- 口腔フェチは口開けてないといけないから間違ってる気がしてきた
すまん - しっかりしろよ
- 妹「でもさ、そんなに変な食べ方かな」
俺「ではおあげを用意したので食べてみよう。じっくり見ておくから」
妹「いただきま〜す」
妹「……」
俺「」
妹「…あらためて見られると緊張するんだけど」
俺「ごめん、頑張ったけど性的には見えなくてつい…」
妹「見えなくていいんだよ！」
俺「かわいさと性的は別問題よな」
- 俺「ともかく唇って性的に見られがちじゃない？」
妹「唇で何かに触れるのがいろいろ想像させるのはある気がする」
俺「つまり唇で他の人に触れる時しないような動作を入れれば」
妹「もうちょっと歯を立てるとかやってみようか」
俺「よしお兄ちゃんが歯を磨いてあげよう」
妹「？？ いや自分でするよ」
俺「まぁそう言わずに。妹ちゃんの歯ブラシも持ってきたから、ほらクチを開けて」
妹「……一応訊いとくけどお兄ちゃん、最近そういうの見てないよね？」
- 意味がわかると怖い
絵と会話してるメンヘラ>>1の話 - ーーまたループしてさらに数日後ーー
妹「おあげの唇の苦情はなくなったね」
兄「だいぶ歯もきれいになりましたからな」
妹「元々汚れてないよ！」
兄「そんな念入りに磨くことなかっ…… あ」
『箸の持ち方が不自然で、女性は不器用な方が可愛いという間違ったジェンダーイメージを押し付けられた』
妹「箸ね……」
俺「確かに、昔からちょっと苦手だった気はする」
妹「どっちかっていうと不器用な方に入りそうだしなぁ」
俺「僕も持ち方変だし、この機会に直してみるか！」
妹「じゃあまたうどんで練習しようね！」
- ーーさらに何度かのループを経て数日前ーー
俺「このドラマももう何度も見てるけどさ、正直飽きない？」
妹「最初に見た時ほどの感動はないかも…」
俺「そもそも恋愛ドラマって面白いんですか」
妹「お兄ちゃんこそ、見た方がいいんじゃないの？ よくアニメ見て新しい趣味始めたりしてるじゃん」
俺「してるね」
妹「恋愛ドラマにハマったら恋愛をするようになる」
俺「えっ……」
妹「やっぱしないか」
俺「いくら仲良くても、兄妹でそういうのは引くわ」
妹「私以外としなよ」
- 俺「じゃ、妹ちゃんの好きそうなの適当に上映会して撮り始めるね」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ
妹「は〜い」
・
・
・
妹「///」ﾎﾟﾁｯ俺「これからいいとこなのに、どうして止めちゃうの」
妹「どうもこうも、これえっちなやつじゃん！ どうせこの後お持ち帰るんでしょ！」
俺「そりゃまぁ、タイトルからして『こんなお持ち帰りならされてみたい』ってあるし」
妹「いきなり変なもの見せないでよ！ これでCM撮るんだから！」
俺「恋愛ドラマとやることは大して変わらないんでは」
妹「やめてよ」
- 久しぶりにSSみたわ
続けてくれ - 俺「で、結局いつものドラマ流して撮れたわけですが」
妹「今度こそ炎上しないやつができそうだね」
俺「音もいい感じに撮れてるし、これ編集してあげておくから休んでていいよ」
妹「ありがとう。もう何回も撮ったから疲れたね」
ーー数日後ーー
『女性が見ているテレビの向こう側に性的なものを感じた。これは実質女性がAVを見ている構図になり不快』
妹「…なに言ってるのこの人？？」
俺「テレビの向こう側… って、あのドラマのことかな」
妹「それだったら『見ているドラマが』とか書くんじゃない？ 『向こう側』っていうくらいだから」
俺「妹ちゃんの部屋のテレビが壁際で、その向こうっていうと僕の部屋 あっ」
妹「なにかわかったの？」
- タイトルうろ覚えで書いたけど
「こんなお持ち帰りされたい」っていう女性向けAVは本当にあるみたいだ - 俺らが助平なのバレたか？
- 俺「撮影してる間、邪魔すると悪いから僕は部屋にいたの」
妹「いたね」
俺「その間、『こんなお持ち帰りならされてみたい』の続き見てた」
妹「なんでお兄ちゃんが見てるの！ しかもそのせいで私が見てるみたいに思われてるじゃん！」
俺「でも興奮はしたよ」
妹「そういう問題じゃないよ！ っていうかそれに気付いた人は何なの！？」
俺「僕と同じレベルの『能力者』か…」
妹「いやただの変態でしょ」
俺「ただごとじゃない変態だと思うぞ」
- 俺「しかし、これもう何やっても炎上はするんじゃないの？」
妹「いや最後のはお兄ちゃんのせいだよ」
俺「わかった。じゃあおとなしくしくしてるから、今度こそ完璧なのを撮ろう」
ーー数日後ーー
俺「正真正銘、妹ちゃんがごく普通にうどんを食べるだけのCMが撮れたぞ」
妹「こんなんでCMになるのかな」
俺「いいんだよ。普通の妹ちゃんが一番かわいいんだから」
妹「お兄ちゃんも、なんだかんだ手伝ってくれてありがとう。炎上ももう…」
『あえて日常を感じさせる光景で女性がクネクネしながら食事をとる姿から、性的なものにまみれた私生活を想像させられて不快』
- 妹「なにクネクネって！？ 大統領？」
俺「なんかこう… 動きの問題なのかな」
妹「普通にうどん食べてるだけなんですけど」
俺「普通にしているつもりでも余計な動きが残っていて、それが性的に見えたのかもしれんね」
妹「うん…… 言ってる人の反応見ると、そうみたい」
俺「余計な動き、しかも性的なものを感じさせる仕草を排除するには簡単かつ強力な方法がある」
妹「じゃあ次はそれやってみようか。何すればいいの？」
俺「オ●ニーだ」
妹「自首してこいよクソ兄貴」
- 俺「いや違うんだ！ 本当にそうなんだって！」
妹「やったら尚更『女性が直前に性的な行為をしている』とかで叩かれるよ！」
俺「そう言われないように、撮影前に余計な感情を出し切る作戦なのだ」
俺「あと人間、疲れてると余計な動きがなくなるってダイの大冒険で言ってた」
妹「お兄ちゃんも空裂斬で邪念切り取ってもらいなよ」
俺「切り取ったら本体が残らないんですが」
妹「自分で言うくらいなら反省しろや」
俺「とはいえ性的な所作を断ち切ると考えるとはわりと有効だとは思うよ」
妹「確かに… 他にできることも思いつかないもんだね」
俺「撮影は夜の時間帯だから、今からするんだ！ お母さんは連れ出しとくから、全力でやっていいぞ」
- 妹のオ●ニーのお膳立てをするやさしいお兄ちゃん
- ーー数時間後ーー
俺&母「ただいま〜」
妹「お… おかえり……」ﾍﾛﾍﾛ
母「どうしたの！？ 具合でもわるいの？」
妹「ちょっと働きすぎで… 疲れたからシャワー浴びてくるね」
俺（そこまでしないと邪念落とせなかったのかコイツ…）
妹（お前が言うな）
- 妹「いててて…… まだなんかヒリヒリするな」
妹「『湯上がりが性的』とか言われそうだから水シャワーで仕上げたし」
妹「髪もバレないようにしっかり乾かして」
妹「よし！ これで最後にするぞ！」
ーー数日後ーー
『冒頭のティッシュをとる後ろ姿に、これからおっぱじめるという性的な意思表明を感じて不快』
妹「もうとっくにおっぱじめたうえに終わってんだよぉ！！」
俺「これもう炎上を防ぐと言うか、『どの方向で炎上させるか』しか選択肢ないんじゃ…… 」
妹「せめて性的とかじゃないヤツがいい！」
炎上はおわらないけど完
- オナシーンはよ
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