菊池雄星さん、長文お気持ち表明

以下、長文です。

いよいよ11月に、菊池がオーナーである野球施設
「King of the Hill」（略称KOH）が完成します。
これまで3年間の打ち合わせを重ねてきました。
当然、シーズン中は野球に全力投球のため、現在は総勢39名のスタッフにサポートを頂きながら、オープニングに向けて日々取り組んでおります。
ここではKOHが目指す姿、想いをお伝えしたいと思います。

まずKOHでは、
�@未来を作るリーダーの育成
�AKOHに関わる全ての人が幸せな気持ちになる
�B心技体知の向上

という3つの大きな理念が存在します。

�@未来を作るリーダーの育成

自分自身、今まで非公表なものも含めて、様々なプロジェクトを立ち上げたり、イベントに関わってきました。それは野球教室といったものから、スポーツという枠を超えての活動も含まれます。

また、MLBとNPBで15年間プレーをし、多くの尊敬するスター選手や、チームの鑑となるリーダーと接してきました。そして、それをまとめ上げるGMや監督、コーチとも密に話をしてきました。
その中で、やはり組織を強くするのは、誰もがリスペクトする、人間的にも成熟した「リーダーの存在」が不可欠だと痛感しました。
それは決してプロの世界に限った話ではなく、花巻東高校でも佐々木洋監督という「カリスマ」が、選手の意識改革をし、チームを強くしました。決して強豪校ではなかった花巻東が、佐々木監督の手腕により強豪校へと変遷していく様子を、プレイヤーとして関われた事は何よりの幸運だと思っています。

もちろん、残念ながら逆も然りであり、やはりリーダーが不在の組織は、能力を発揮できない可能性が高く、能力を発揮できないだけでなく、時として組織を壊してしまう事も、様々な自分自身の失敗から学びました。
このような経験から、自分自身で考えることができる自立した人材、自発的に行動できる人材、そして個人だけではなく、組織のリーダーを担い、そして明るい未来を作るリーダーをKOHから育てたいと考えております。

�AKOHに関わる全ての人が幸せな気持ちになる

KOHに来てくれた全ての子供達を、プロ野球選手や甲子園球児にすることは残念ながらお約束出来ません。
全員が「勝つ」ことは出来なくても、野球に関わる、KOHに関わってくださる全員が「幸せ」
を感じることはできるのではないかと思います。そして、それこそが本来、スポーツをする意義だと思います。
そして、何を幸せとするかは人それぞれです。

野球が上手くなる幸せ。
良き仲間に出会う幸せ。
今まで出来なかった事ができるようになる幸せ。
夢を追う幸せ。
夢を追う人を、応援する幸せ。
子供が成長する幸せ。
地域と交流する幸せ。

野球をする価値を「上手くなったかどうか」、「成功したか否か」だけに置くのではなく、十人十色の「幸せ」を様々な形で実現していきたいです。

そのため、KOHを野球をするだけの施設にするのではなく、カフェエリアで地域交流の場を作り、同じくカフェエリアにはMLBの名選手のサインを多数飾りました。
また、甲子園やプロ野球、オリンピックや地域のスポーツの応援を皆さんで一緒出来る様に、パブリックビューイングもご用意しました。
そして多くの指導者さん、親御さんが抱える日々の指導や教育の悩みを解決するべく、10名を超える各分野の著名な専門家にご協力いただき、指導者講習やオンラインサロンを始めていきます。
この様な取り組みから、KOHに関わる全ての方々が各々の思う「幸せ」を実現出来る場にしたいと思っています。

�B「心技体知」の向上
従来、スポーツにおいて大切とされてきた心技体はもちろんのこと、KOHでは「知」という概念を加えました。
「知」という言葉には、知識や知恵、データ活用、情報リテラシーなどが内包されています。
世の中はこれから加速度的に情報の「洪水」が起きます。

その中で、情報を正しく扱い、抽象化出来る能力がスポーツ選手にも必要になると考えます。
野球界でも、今はデータを理解すること、運動力学を知ること、栄養学やトレーニングを知ることなどは不可欠となりました。
昔は、「量」をこなす事でしか「質」にたどり着けませんでした。故に、強豪校で練習を豊富に出来る環境の学校が常に勝ち、プロ野球選手を排出してきました。

しかし、今日は質の良い情報がネットに溢れています。その情報を上手に乗りこなす事が出来れば、時間的な制約や環境的な要因に恵まれていなくても、上の世界で勝負出来るようになってきたようにも感じます。