助けて・・さっきデリヘル嬢のウ●コ100グラムぐらい食ったんだけどメッチャ腹痛い…寒気してきた

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC165KF0W5A510C2000000/

健康なウンチ、5000円で買い取ります　難病飲み薬の原料に

あなたのウンチ5000円で買います――そんなウソのような本当の施設が山形県鶴岡市で4月に開業したただし5〜10%ほどしか通過できない厳しい検査をクリアしたウンチのエリートだけフリーズドライ加工されなんと経口薬へと生まれ変わる鶴岡市に集うウンチが世界に羽ばたく日がいつか来るかもしれない
「朝活ならぬウン活をしてきました」5月下旬鶴岡市の会社員佐藤浩市さん(46)は「献血」ならぬ「献便」を行った記者が訪れたのは日本初の献便施設をうたう「つるおか献便ルーム」で佐藤さんは健康的なウンチの持ち主だと認められた初の「腸内細菌ドナー」だ
普段から健康を意識する佐藤さんの飲み物は「基本的に白湯」で飲み会などを除きほとんど飲酒しない妻の勧めでドナー登録に必要な検査を受けたところ見事合格でこの日は4回目となる献便を行ったただウンチをするだけだが「自分にしかできないことで人の役に立てるのがうれしいです」
献便は月曜日から水曜日の午前7時30分から午後1時まで受け付けるスタッフが常駐しており献便のための事前予約は不要だ佐藤さんの勤務先は施設周辺だといい「勤務中に便意を感じてちょっと行ってきますわということがあるかもしれません」
山形県酒田市の自営業渡会恵子さん(54)もドナー認定を受けた取材当日が初の献便で「緊張しましたがなんとか出ました」渡会さんの腸内環境を健康に保つ秘訣は1年ほど前に購入した豆乳メーカー「ソイリッチ」で「お通じの状況が改善しましてドナー認定はその成果かもしれません」と話す
ウンチなんて集めてどうするのか施設を運営する腸内細菌研究のスタートアップメタジェンセラピューティクス(山形県鶴岡市)の中原拓社長は用途を「いわばフリーズドライの味噌汁の原料のようなイメージですね」と話す
同社は指定難病である潰瘍性大腸炎の創薬研究を手がけている完治につながる有効な内科的治療が確立していない病気だが腸内環境の改善が治癒につながる可能性があることが国内の研究で示唆されたという26年に日米で臨床試験に着手し32年に新薬を販売する計画を描く日本医療研究開発機構(AMED)から最大66億円の助成を受ける
そのためには膨大かつ健康なウンチが必要で「通いたくなるトイレ」をコンセプトとする施設を4月に開業した広い窓や大型の鏡を設置希望の光のように太陽光が隅々まで行き渡り約70平方メートルとは思えない広さを感じる
山岳信仰が残る山形県の出羽三山にちなみ3つの献便専用トイレを「はぐろ」「ゆどの」「つき」と名付けた音楽ディレクターに依頼して作成した出羽山地で滴る水の音を流す中原社長が「せっかく出かかったウンチも緊張すると引っ込んでしまう」と指摘するようにリラックスした雰囲気でウンチを誘発させる
年2000個以上のウンチ獲得を目標に4月から献便協力者の募集を始めた既に400人以上がオンライン問診を受けそのうち80人が病院での精密検査に進んだドナー登録に至る確率は海外の先行研究からは5〜10%程度とされるが中原社長は「途中経過ですがそれよりずっと高い根菜を中心とする山形の食生活が影響しているのでは」と話すすべり出しは好調で例えるならばまさに「快便」だ
たとえ人助けといってもそれだけで人は動かないのが世の常だドナーには献便1回ごとに3000円の謝礼が支払われるさらに2〜3カ月ごとに便や血液の再検査を受けて合格すればその間に冷凍保存していた全ウンチについて1回分あたり2000円が追加される逆に不合格ならウンチは破棄される運命だドナーの佐藤さんと渡会さんは「誰かのために私自身が健康で居続けなければならないとのプレッシャーがすごい」と口をそろえる
ウンチ提供に思った以上に積極的な鶴岡市民らなぜだろうか検査を担う鶴岡市立荘内病院の鈴木聡院長は「鶴岡の便が薬となってアメリカや世界に羽ばたきます人助けに貢献できるとの鶴岡市民のプライドがくすぐられているのでは私自身のプライドもくすぐられなんとも心地よいです」と話す
荘内病院は新たに「腸内細菌ドナー外来」を設け月に2回の頻度でドナー認定を行う院長自らが診察を担当するが病院のスペースに余裕がなく「精神科や外科などの空きスペースで対応しています」現状は月20人の検査が上限で新規の検査はほぼ1年待ちドナー認定のプロセスが若干「便秘気味」だが「素晴らしい取り組みを後押ししたい」と対応可能な人数の拡張を検討している
実は献便は同施設に限らず順天堂大学(東京・文京)でも実施中だ健康には人一倍気を使い人助けに誰よりも熱心な記者(37)も検査を受けてみた