鬼畜夫の言葉の暴力😨「こんな簡単なことができないの」「当たり前のことをやろうとしないの」「小さな約束すら守れないの」

「ただいま。ごはんは？」
「あ、おかえり。てか、帰るの早くない？」
「意外に道が空いてた。ごはんは？」
「お米は研いだよ」
「お米研いで、ほかは？」
「え？　まだ？」

またか……。いつものこと過ぎて、文句も出ない。黙って仕事道具を片づけたり部屋着に着替える僕を尻目に、妻はゲーム機のコントローラーから手を離さない。

「ねえ！　ご飯どうするの？」
「まって、セーブできるところまで」

そんなこんなで、疲れ果てて帰ってきてから、妻が食事を作ってくれるまで小一時間もかかろうか。その間にシャワーなど済ませ、待ちに待って食卓に行くと、微妙に黒焦げのおかずだけが一品、
雑多な物で散らかったままのテーブルの上に乗っていた。

「お箸が出てない。お茶は自分の分だけなの？　ていうか、お米は？」
「あ！　炊飯器にスイッチ入れてない」
「……もういいよ。なんかもう一品。俺が作るから。」
「……しょんもり」
「しょんもりじゃないよ」
「…………」

無言になる妻に、手早く作れそうな料理を始めながら、僕は追い打ちをかける。

「ねえ、俺は今日、いつになったらゆっくり休めるの？　俺はこんなに毎日クタクタになって働いてるのに、君その間に何やってたの？　
出がけに今日は晴れるから洗濯してって言ったのに、それもやってないし。つーかこんな寒い中帰ってきてシャワーとかありえないんだけど。
冷えて帰ってくるのわかってんだから、風呂ぐらい言わなくても入れといてくれてもよくない？」
「…………」

「あんたはしつこい！」と妻が逆切れすることもまれにあるが、こういう時、妻はたいてい眉をしかめて黙り込む。
僕はといえば、とめどない小言とともに味気ない食事をのどに流し込み、不機嫌なままで寝室に向かう。
安いテラスハウスの壁越しに再び響きはじめるゲームの戦闘音。両手で耳をふさいで泥のような眠りにつくのだ。

「なんでこんな簡単なことができないの」
「なんでこんな当たり前のことをやろうとしないの」
「なんでこんな小さな約束すら守れないの」

それらは僕自身の辛さから口に出した言葉だったことは間違いない。けれどそれは、ノーガードの人間を殴り続けるに等しい行為。
脳の機能的に「やれないこと」をやれと強要し、妻を追い詰めてきたその残酷な言動は、間違いなく明確な精神的DVだった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/b65e1aa83dad2e5ad81056e19998f7003fc78f7f