なぜ日本はアニメ大国なのにアカデミー賞やアニー賞のようなアニメの発展と質的向上に寄与するような賞を制定できないのか？

本紙連載「アニメ大国の肖像」書籍化　監修の中川右介さんに聞く

名作テレビアニメを世に送り出した監督や脚本家らのインタビュー集『アニメ大国の神様たち』（イースト・プレス）が刊行された。
二〇〇〇年代に本紙で連載した「アニメ大国の肖像」の書籍化。監修者で、作家・編集者の中川右介さんに、日本のアニメの特質などについて聞いた。　（聞き手・三沢典丈）

　?単行本のもとになったのは、〇五?〇八年の連載です。「鉄腕アトム」で脚本を手がけてきた辻真先さん、演出を担当した富野由悠季さんら時代を築いた三十五人の「アニメ職人」に、
作品づくりについて聞きました。昨年、中川さんが見つけて出版社に紹介したことで、時をへて本になりました。

　日本のテレビアニメの歴史について書こうと調べているうちに知り、「埋もれさせるのはもったいない」と思ったのです。ゼロ年代半ばの時点で、アニメ界のレジェンドたちが語った言葉には価値がある。

　?連載は、記者が子どものころ見たアニメを「誰が作ったのか」が、出発点だった。日本アニメの特徴は、どんなところにあるのでしょうか。

　僕は、アニメが漫画の原作から発展していった点が、特徴的と捉えている。ヒットアニメにも、漫画原作がある。
　?一九五〇年代、日本のアニ…

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