女性棋士「妊娠したら対局できない今の規定はおかしい」

福間さんは女流8タイトルのうち六つを保持するトップ女流棋士。昨年12月に長男を出産した。妊娠中、対局に体調不良で臨めない状況が続いたため、保持していた3タイトルの防衛戦は日程が変更されたものの、挑戦者だった二つのタイトル戦は一部の対局が不戦敗になった。

この問題を受けて連盟は昨年から、女流棋士が妊娠・出産する場合のルール作りを開始。今年4月、「出産予定日の産前6週産後8週に番勝負の日程が一部でも重複する場合、対局者を変更する」ことを盛り込んだ規定を導入した。

ただ、この規定が適用されると、タイトル保持者が出産する場合は防衛戦に出られず、失冠することになる。福間さんは要望書で「体調や医師の意見に応じて、タイトル戦の出場や日程・場所の調整ができる」「産休中にタイトル保持者の地位から降格しないようにする」ことなどを求めている。

福間さんは、2人目の妊娠・出産も考えている。だが、「今の規定では躊躇（ちゅう・ちょ）する」と考えて、要望を決めたという。「妊娠してもタイトルを諦めたくない。これから女流棋士を目指す子が安心して子どもを産めるよう、柔軟で本人が選択できる制度になってほしい」と話す。