- 語っていい？
- つらい
- 出会ったのは4年前だった
ちょうどコロナ禍の始まった夏
俺は当時からみて数年前から女装してツイッターや投稿サイトにその姿をうpしていて、フォロワーはたしか10000人越えるくらいだった
そんな俺にDMでファンとして応援メッセージをくれたのが相手のN君だった - 掘られたに見えたけど振られただった
- ゴミみたいな性欲DMばかりの中で丁寧な文体でかねてから応援している旨と、可能ならばひと目会えないかという誘いの内容だった
もちろん俺は断った
あの時のコロナの不安感は大きかったし、そもそもフォロワーと会うのは面倒だった
Nくんは残念そうにしつつも、それからなにかと撮影に使う衣装や小道具を提供してくれるようになった - おれも元来は頼まれごとを断れない性格だったし、そんなに無条件で支援されてると申し訳ない気持ちになって、いちど会ってみることにした
Nくんは隣の都道府県に住んでいて、車だと3-40分で会いに来られるとのこと
うちの最寄りからは少し離れた大きな駅で待ち合わせた
6月の中旬、少し雨が降ってた
ほんとはもっと可愛い格好をしたいのを抑えて、あえて目立たないような、だけど少し丈の短いワンピースを着て駅前でN君を待った - 時間より少し早く来たN君は車からぬぼーっと降りてきて俺ちゃんですかと声をかけてくれた
そこそこ背が高くて、髪はパーマで髭が生えていて、なんとなくオシャレなロックバンドでギタリストやってそうな感じのお兄ちゃん
聞いていた年齢より少し若く見えた - 因みにこれが俺
もしかしたら見覚えのある人もいるかもしれんがまあいいや
- >>9
結構思ってたより男で草 - つまりホモか
- Nくんは控えめな人で、何をするにもわたしに許可を尋ねるような言動だった
キョドっているというよりは、なにかわたしをものすごく有名で偉い人だと思っているらしく、なんだかおかしくてわたしの緊張もほぐれて、その日は本当によく笑って過ごした
雨の中、ショッピングモールでご飯を食べたり、服を買ってもらったり、学生みたいなデートをした - こんちゃーすのやつやん
- それからというもの、わたしとNくんは月にいちどのペースで会うようになった
最初は近場でデート、いつからか泊まりで旅行をするまでに仲良くなった
もちろんその内にえっちなこともした
わたしは元々えっちの相手は女でも男でも気にしなかったし抵抗はなかった
だけど自分のことを本当の女の子みたいに大切に抱いてくれるのが驚きだった
女の子として男の人とするキスは自分が男として女の子とするのとは全然違う幸せな感覚だった - あちこちに旅行したり遊んだりするうち、わたしたちはますます仲良くなって、いつしか気持ちが逆転した
わたしの方がNくんを好きになっていた
最初は自分でも気づけなかったというより、そんなわけがないと思いこんでいた
女装はするし、えっちもできるけど、男が好きなわけではなかった
男とキスするなんて、女装していないときは気持ち悪くて考えられなかった
それなのに、いつのまにか、女装をしていないときにも、Nくんと一緒にいるときの幸せな気持ちを反芻して笑みがこぼれるようになってしまっていた - Nくんは相変わらずわたしを可愛い可愛いと愛でてくれたが、明らかにわたしの存在に慣れつつあった
出会った頃の｢すごい人を見るような態度｣はなりを潜めて、年が明ける頃には完全にわたしのほうがNくんのことを大好きになっていた - ただわたしの中でずっと気がかりだったのが、まあこれは大人の男女間でよくある話だけど、｢付き合っている｣という明確な言質がわたしたちにはなかった
わたしはNくんにとって、ただの会える推しなのだろうか、それとも彼女（男だけども）なのだろうかと悩む日が続いた - Twitterからの転載画像やな
- だけど会えばそんなこと忘れるくらい幸せだった
ひとりじゃ絶対に味わえない普通の女の子の気分をこれでもかというほど満喫した
手を繋いで買い物をしたり、ちょっとだけ喧嘩をしたり
そんな日々が永遠に続くような気がして、彼女かどうかなんてどっちでもよくなった、というかそういう悩みも忘れてしまった
どうせNくんは女の子にモテるようなタイプではないし、わたしだけを見てるんだから
とにかく幸せだっただけどそんかわたしたちに重要な日が来てしまう
くよくよと悩むのをやめてさらに1年が経つ頃だった - スーパーキンタマタイム！！！！！！！！！
- 同人コスプレAVに出演してみないかという知人の誘いがきたのだ
言うの忘れてたけど、最初からわたしはアダルトな写真や動画を作っているアカウントだった
だからAVへの憧れみたいなものは常にあったし、そのチャンスは素直に嬉しかった
同人AVとはいえ、こっちの界隈では有名なサークルだったし、商業AVで活躍している人もたくさん出演していた
もしかしたらそれが足がかりになって、自分も商業AVに出演したりすることがあるかもしれない
だから出たかった
だけどNくんはなんて言うだろう？ - Nくんはそもそも自分がフォロワーだったくせに、わたしがフォロワーと絡むのを良く思っていないフシがあった（だからこそか？ 書いていて今気づいた）
オファーを受ければ、仕事とはいえ、確実にNくんじゃない人とえっちすることになる
そんなことしていいんだろうか？
ここで心の底に沈んだはずの｢自分はNくんの彼女かどうか問題｣がまた顔をのぞかせてきた
悩んだわたしはいっそ本人に聞いてみることにした - ｢わたしってNくんの彼女なの？｣
とは聞けなかった
この質問は最悪の場合すべてが壊れることになる気がした
本当に聞きたいのはそれだった
だけど怖かった
わたしは違う形で、シンプルで正直なお伺いをたてることにした
｢xxっていう同人AVに出たいんだけど、いい？｣
｢嫌だけど、そういうのがやりたいんでしょう｣とNくんは言った。｢それなら俺が口を出すことじゃない｣
（｢嫌だけど｣っていうのが、本当にNくんが言ったかどうか自信がない、本当に嫌だったんだと知った今わたしが付け加えた妄想かもしれない）わたしは少しがっかりして、ふと自嘲した
｢出たい｣って言って本心は｢止めて欲しい｣だなんて
これじゃ本当に女の子じゃないか - わたしの気持ちは決まった
同人AVに出る。それをきっかけにいつかほんとのAV女優になってみたい
たった1作品だけでいい。自分の作品がどこかアダルトショップにでも並べられているのを見たい
それがゴールだと思った。行く宛てもなくやってきた女装活動に道ができたような気がした｢俺が口を出すことじゃない｣
よろしくお願いします、とオファーに返事をしながら、あの言葉が耳に溶けて染み込んだように、何度もNくんの声がそう囁いて聞こえてきた
- 梅ホモええ加減にせぇや
- それからは速かった
最初の作品を撮り終えてからそれほど間もなく、わたしは複数の同人AVに出るようになっていた
そのおかげもあってフォロワーも少しずつ増えていき、作品の感想もよくもらうようになった
わたしとNくんはいつも通り遊んでいた
旅行に行ったり、ゲームをしたり、クリスマスや初詣や誕生日を過ごしたり、普通のカップルがやるように、男女の過ごし方をした
だけど昔の幸せな感覚は少しずつ薄れていった
そういうものだと思った
どんなに愛し合っているカップルだっていつまでも初々しくいるわけじゃない
そう言い聞かせた
それでも、Nくんが車に乗って去った後、わたしはこの頃から泣くようになった - そして今年の春
ついにNくんがわたしに触らなくなった
遊びには行くし、旅行にもでかける
だけど指一本ふれてこない
えっちやキスはおろか、手を繋いだり、ちょっかいをかけたりすることもしなくなった
わたしは混乱した
それ以外はいたって普通だったのだ
今まで通りの会話ややりとり、出かけるペース、なにも変わらないのに、ただ接触を頑なに拒むようになった
耐えられなくなって勇気をだした
聞くのは本当に怖かった
｢もうえっちしたりしないの？｣
｢うーん｣
Nくんは微妙な笑みではぐらかすだけだった
わたしはそれ以上なにも聞けなかった - そんな日々が半年続いた
わたしは頭がおかしくなりそうだった
わけがわからなかった
普段通りの態度が余計に心を壊した
それがあまりにもつらかったそして一昨日の夜わたしはたずねた
｢どうして触ってくれなくなったの？｣
｢うーん｣
また同じ笑みではぐらかす
でも今度は追いかけるしかなかった
｢お願いだから答えてください｣
情けない、わたしは泣いていた - ｢泣かんでよ｣
とNくんは笑った
お前が泣かしてるんだと思った
こんなこと思うなんて本当に女になっちゃったんだなと痛感した
｢お願い｣
｢うーん｣
｢わたしが仕事で他の人とえっちするからですか｣
｢うーん｣
｢……｣
｢そうだね｣
と、警察官から逃げ回って観念したひき逃げ犯みたいにNくんは俯いて言った - それはわたしがずっと原因じゃないかとうっすらと感じていたのに、わざと避けてきた答えだった
わたしはNくんのことを愛しているけど、応援してくれるフォロワーのみんなにも応えたかった
みんなはたぶんわたしの淫らで奔放な姿を望んでいる
少なくとも、わたし自身はわたしをそういう風に育ててきた
実際わたしはそういう性格だし、演じているってわけではない
だからわたしのなかでは｢Nくん以外とするえっちは、相手から仕事としてお金をいただいた上で作品として世に出す｣というルールで、操を立てているつもりだった
これは浮気ではありませんよ、というメッセージとして、そのルールを守っていた - Nくんはそれでもわたしの仕事がずっと嫌だったのだ
｢なんで嫌だって言わなかったの｣
とさすがに聞く
｢それが１ちゃんのやりたいことだから｣
また同じことを言った
｢俺が口を出すわけにはいかない｣なにを言ってるんだこいつは、と理解がまったく追いつかなかった
わたしがやりたいこと？
あなたといつまでも一緒にいることだよ
それしかないよああ、それが伝わってなかったんだ
少したりとも - わたしはすべてが終わったと思った
フォロワーなんかもう知らない
女装なんかもうやめよう
それは自殺だ
あなたとの時間や思い出ごと、あなたを愛していた人格を抹消しよう
意味ないもん
あなたに愛されないんだったらねえ？
いやほんとになんのためにいままでやってきたんだか - 念のため確認しておくがエッヂはホモの掲示板じゃないよな？
- ｢やめちゃだめだよ｣
とまたわけのわからないことを彼は言う
｢せっかくあんなにフォロワーもいるんだから｣｢いらない｣
わたしは本心から言った
｢Nくんが嫌がるなら全部いらないよ。お仕事も断る。Nくんだけといる。わたしに会えるのはNくんだけ｣そしたらなんて言ったと思う
- ｢それはフォロワーの人達に申し訳なくてできない｣
何を言われているのか、まったくわからなかった
わたしが仕事するのが嫌だけど、それをやめさせるのも嫌ってどういうこと？
それってさあ。
それって。
それって。
その先は最悪の結論だった
考えたくなかったそれってもうわたしと一緒にいるのが嫌ってことじゃん
- もうこれ以上、わたしの出せる手札はなかった
全て捨てると言ってだめならもう終わりだ幸せな日々を、その匂いを、その感触を思い出してわたしは泣いた
それからの記憶はないけど
マンションのロビーで最後の別れをしたこと、そのいくつかの場面だけは覚えている
何故かNくんは立ち去ろうとしないで、
｢行きなよ｣と何故かわたしを先に帰らせようとした
｢あなたが行くんだよ｣とわたしは意固地に立ち尽くしたそして見たNくんの最後の背中は、本当にこれっきりだと、わたしに思わせる後ろ姿だった
- これで終わり
ありがとういや、そういえば嘘みたいな余談がある
それからタクシーに乗ってふたりの住処にしてたマンションから家に帰ったんだけど、その途中で飛び出してきた猫ひいちゃったんだ
｢猫ですわ、飛び出してきて｣
っていう運転手さん
わたしは｢ああ、そうですか｣としか言えなかった
とにかくなにかがぶつかって、右側で踏んだ
踏んだ時のなにかが折れるような感触が不思議と右足に今でも残ってる怒る人いるかもしれない
本当におこがましいけど、思っちゃったよ
｢きっとわたしの代わりになってくれたんだ｣って思った嘘みたいだよなあこれ
- なんで画像載せたんだろうな
まあわたしが何者かはどうでもいいじゃないですか
これを読んでる人がいたら教訓にしてくれ
愛してる人にはなんでも全力で伝えよう
Nくんもわたしもそれが足りなかった
結局Nくんは出会った日から変わらず｢わたしをすごく有名で偉い人｣だと勘違いしつづけてきたんだな本当に後悔してる
まだ愛してる気持ちが変わらない
自分がこんなに同性を愛することになるだなんて昔のわたしに言ったら信じないだろうな
あの幸せな日々が二度と戻ってこないと思うと今も涙が出る
眠れないでもタクシーの一件で前は向けた
思い込みも心の中では真実だよな
変わらずやっていこうと思ってるよ - いないかもしれないけど、読んでくれた人たちにも感謝してます
もしよかったらどう思うか聞きたいけど、こんなスレに書き込むもの好きもいないか…こんなの本当か嘘かもわかんないしなじゃあねありがとう
- セフレにAVでたいって言われたら「あ、自分に本気じゃないのか」とは思うわなあ
そもそもの関係性も先を見据えてたとは思わんけど - >>43
それはわからないけど…
彼はわたしの愛情には気づいてなかったって言ってた
いちフォロワーに過ぎないと思われてるに違いないって - >>45
パートナーが風俗いくのは許容できるんか？自分は - >>47
風俗と仕事のAVは違うくない？ - ふーん
ワイともヤろうよ - 全くの別人が書いてるのも怖いし本人が書いてても怖い
- 会うの月1ペースなら他に本命おるで
- 自業自得やしこれ書いてるの本人じゃないだろ
- まあセフレがAV出てもいいですか？とか聞いてきたらその人と付き合う選択肢は無くなるわな
- 男女に置き換えたら最初からセフレやし付き合ってないと断言できるが男男やと別の世界なんかな…
男だけど男に振られた
エッヂ
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